汚泥の「一般」「産廃」の違いって何?違いを知らないと「違法行為」をしてしまう可能性も!

よくマコムには「仮設トイレの汚水が溢れ出た!すぐにバキューム車に来てもらいたい」「地下にある汚水槽の満水センサーが発砲している!すぐに来て吸い取って欲しい」とお電話をいただくことがあります。ですが、マコムではそういった『一般廃棄物』を取り扱っていませんのでご対応できません。

汚泥は『一般廃棄物』『産業廃棄物』の2種類に分かれます。今回はその2つについて解説いたします。ビル管理者さんや施設管理者さんは業者選定に必要になる知識ですので覚えておくと良いでしょう。

1.そもそもビルピットってなに?

ビルピットとは、建築物から排水される汚水または雑排水などを一時的に貯留する槽です。これらの汚水または雑排水などは、ポンプによって汲み上げられ公共下水道に放流されます。

2.ビルピットの定期的な清掃回数は?

ビルピットによる悪臭を防止するためには、定期的な清掃が必要です。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律では「6カ月以内に1度」、東京都の建築物における排水層等の構造、維持管理等に関する指導要綱)では「少なくとも4カ月に1回」のビルピット内の清掃と汚泥等の除去を行わなければならないとされています。また、排水の水質や量、ビルピットの容量に応じて、清掃回数を増やしていくことも大切です。

3.ビルピットの定期的な点検や記録の作成は?

ビルピットの正常な機能の維持管理として、1カ月ごとに1回の定期点検も必要です。

ビルピット内の構造や排水ポンプ等の設備状況等の点検も行ってください。また、清掃や点検に関する記録の作成(5年間保存)など、建築物の設備の一つとして適切な維持管理が大切です。

4.ビルピットの汚泥等の処理方法は?

ビルピット内に堆積した汚泥等は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、適正な処理をしなければなりません。

し尿混じりの汚泥等は『一般廃棄物』、し尿を含まない汚泥等は『産業廃棄物』として処理することになります。し尿混じりの汚泥等は一般廃棄物処理業者に、し尿を含まない汚泥等は産業廃棄物処理業者にそれぞれ処理を依頼してください。し尿まじり(トイレ排水をふくむもの)を産業廃棄物処理のみの許可業者に委託することは違法です。

5.委託基準(廃棄物処理法)による契約書を交わす必要がある

産業廃棄物処理に関して委託基準(廃棄物処理法)があり、未契約の場合委託基準違反で罰則を受ける場合があります。運搬業者と処分業者のそれぞれと契約書を交わさなければなりません。また、廃棄物の処理にあたっては、産業廃棄物は産業廃棄物管理票を、一般廃棄物は搬入伝票を発行しなければなりません。 (それぞれを5年間保管しなければなりません)

6.し尿を含む「一般廃棄物」の業者を探すのは各自治体にまず連絡!

というのも、し尿を含む一般廃棄物処理業者は、各自治体に届け出をしています。また、歴史的経緯から自治体が資本参加をしている一般廃棄物処理業者もいて、いわゆる指定のお抱え業者が自治体にはあります。そのため、し尿を含む一般廃棄物処理業者をネットで探すより、自治体に相談した方が時間的に早いでしょう。

7.…し尿を含んだ汚泥を一度汲取り、戻したり汚水枡へ排出するのはグレーゾーン

排水ポンプの故障や更新工事のために、一時的にし尿を含んだ汚泥をくみ取る必要があります。厳密にいえば、その汚泥も一般廃棄物処理業者にやってもらい処理しなければいけないのですが、運送費の高騰や安く済ませようとし尿を含んだ汚泥を、産業廃棄物業者が汲取り、工事や点検後に再度汚泥を槽に戻したり、汚水枡へ排出しています。

この方法は、正直グレーゾーン的な部分なので、その施工内容が発覚し罰則を受ける可能性もあるので、予め自治体に相談した方が無難です。

8.業者によってはポンプ点検や槽内点検をしてくれない

厳密にいえば、一般廃棄物処理業者はあくまでも『し尿を含む汚泥の処理業者』です。汚泥をバキュームで汲取って作業終了です。ポンプ故障などは伝えてくれる場合もありますが、基本的に槽内点検やポンプ点検は行いません。そのため、私たちマコムのようなビルメンテナンス会社が、一般廃棄物処理業者がバキュームをした後に、槽内点検やポンプ点検を行います。

今回は、し尿を含んだ汚泥を一般廃棄物処理業者さんが回収後に、2つの槽内点検やポンプ点検をしている様子をご紹介します。ポンプの電圧異常があるとのことだったので、まずは電圧測定を行いました。

その間に、一般廃棄物処理業者さんは別の汚水槽のバキュームを行っています。ちなみに作業はみんなAM5時から行っています^^;

電圧チェックが終わると、先に槽内清掃が終わっている槽に入ってポンプ点検と槽内点検を行います。

電圧の異常値原因は、おそらく排水ポンプに何かしら異物が付きまとい、ポンプに負荷が掛かったのか、汚水槽清掃を行った後では比較的標準値を推移していました。ポンプ点検を行ったときも異物はありませんでした。

槽内点検をしたらボルトが一箇所外れていて、急ぎではないのですが、補修工事が必要だということが分かりました。

一般廃棄物処理業者さんの中には、槽内の補修工事なども行ってくれるところもありますが、基本的には汚泥回収がメインになります。6か月1回の汚水槽清掃で、次回はマコムでポンプ更新工事を行うので、その際にボルト落下部も補修を行います。

 

ビルピットは、ビル(建築物)内で発生した汚水や雑排水を貯留するため、定期的な清掃を行わないと悪臭が発生する原因となります。また、ビルピット内の汚泥等の廃棄物は適正な処理を行う必要があります。
ビルのオーナーまたは管理者の方は、必要な知識の習得と適切な維持管理をお願いします。

清掃費についてお悩みの方へ
次のようなことでお悩みでありませんか?
・現在頼んでいる定期清掃の価格は妥当なのか
・定期清掃の年間コストを下げたい
・今より丁寧な作業をしてくれる業者はいないか
・どのような頻度で定期清掃を頼めばいいか
もしも、清掃についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

関連記事一覧

目的別に探す

対応エリア

PAGE TOP