5年以上経過している浴室ドアノブ交換はメーカー推奨方法では取り外せない

いつも修繕のご依頼などを頂く管理会社さまから「入居物件の浴室ドアが開かない」とご連絡を頂きました。さっそく、入居者さまとアポを取り、お宅へ伺いました。

外見はステンレスなので問題はなさそうに見えますが、「浴室」という場所柄、内部は錆びていて腐食が進んでいることが多いです。

 

多くの入居者さんは「動きが悪くなってきているけど大丈夫だろう」と思っていると、ある日突然ドアが開かなくなって、浴室から出れなくなるといったケースがたくさんあります。今回の入居者さんもその事例でした。

 

多くのドアノブは外側だけがステンレスで覆われているのですが、内側の本体は実はスチール(鉄)製です。ですので、下記写真のようにドアノブも湯気やシャワーや結露によって、サビによる腐食が進みます。どれぐらい錆びているかというとこれくらいです。

このように錆びてしまうと、もはや簡単に取り外すことはできなくなります…。

メーカーが想定した取り外し方では99%上手くいかない!

メーカーが推奨するドアノブの外し方は、ドアノブのラッチ側に握り玉を固定しているロックを開所する小さな穴にピンを入れます。

この状態のまま、ピンで押すのを止めると「カチッ」という感触とともにドアノブが外れます。

いっけんするとめちゃめちゃ簡単に取り外せそうですよね^^

・・・でも、これはあくまで「新品のときの状態に限る」んですよ!ドアノブがダメになっている場合、先ほどご説明したとおり、浴室の湿気によって内部が激しく錆びていて固着しているので、まずドアノブのロックが解除できないので引き抜けません。

 

力づくで引っ張ったとしてもビクともしませんし、そのまま力づくでやってしまうとドア本体や穴自体を変形させてしまいます。メーカーは固着したサビのことは一切考えていないので、メーカー推奨方法では取り外せません。

取外工賃ではなく“破壊工賃”

ですが長年こういった錠前交換やシリンダー交換、ドア交換をしている私たちは、ある程度経験もあるので、ここは力づくではなく「既存のドアノブを破壊作業」を選択します。最終的にはドアノブとラッチも新品に交換するので、破壊作業をした方が早いんですよね!

と、破壊作業をする前に、既存ドアノブがついているドア厚やバックセットのサイズを確認しておきます。これは現地調査時に調べていたので、破壊作業前にあらかじめ物だけは用意しておく必要があります。

サンダーなどの器具を使った方が作業時間的に効率は良いのですが、サンダーなどを使う場合、熱を持った鉄粉がユニットバスの表面を溶かしてしまうことがほとんどで、養生ミス=けがの原因となってしまいます。なので、素足で使用するユニットバス内は安全を考慮して、手作業で削り取っていくのがおススメです。

サンダーを使う場合は壁面や床面などをしっかりと養生してくださいね!

15分ぐらいギコギコ格闘してようやくドアノブの根元を切断しました。あとは台座を外してその下に隠れているネジを取り外します。

2本のビスを取り外して、ドアの横からラッチを取り外します。そうすると何もない状態に!破壊という作業がなければものの5分で終わる作業なんですけど、浴室ドアノブは破壊がつきものです!

あとは逆の順番をしていくだけ!新しいラッチを固定します。

ホームセンターでラッチは売っていますが、バックセットとラッチ板、ドア穴径・ネジピッチなど、ドアによってサイズがまったく異なるので、一概に「浴室用ドアノブ」ってだけで購入はしないでください!

その次に入口側のドアノブをはめ込みます。

このような状態にして、最後に浴室内側のドアノブを取り付けます。

取付完了です。注意ポイントはきつく締めすぎないこと!きつく締めてしまうとドアへの負担が掛かってしまうこともあり、ラッチ部にも負担がかかります。開閉時に力を入れないと回せなくなってしまうので、少しゆったり目に固定しましょう。

現地調査をして管理会社さんや入居者さんへ見積を出すと、「なぜ破壊しなければいけないのか?ホームセンターに売っている物の説明書きには取替は簡単だから安いはず!」と聞かれることがありますが、先述した「湿気によるサビ」がメーカー部品に説明書きされていません。

 

なので、交換だけだから安くものと考えられていますが、錠前屋さんや修繕も行っているビルメンテナンス会社のほとんどは『破壊』をしています。ですので、労力が掛かってしまうので工賃は高めに設定されています

浴室ドアノブ交換 まとめ

浴室ドアノブは、設置されている場所柄、どうしても湿気は避けられません。少しでも動きがおかしい・硬いと感じたら早めの交換をおススメします。

そのまま放っておくと、ドアノブが回らなくなって浴室から出れなくなる可能性が高まります。

そうなってしまった場合、管理会社等に頼むと「破壊作業」になるので工賃は高めになります。また、管理会社の利益分も上乗せされるので、通常価格より高めになりますのでご注意ください。

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